研究概要 |
本研究は,日本語諸方言のうち,大規模な都市化のために伝統的方言が消滅に瀕している,東京と大阪の中心部(旧市街)を対象とし,これまでに収録された録音・文字化資料の整備を行うともに,現在残っている最も古い層の東京方言・大阪方言の談話を多角的に収録して,大都市の失われる伝統的方言を包括的に記録・記述することを目的とした。 本年度は,収録を行うとともに,既存の録音文字化資料の整備を進めた。 1.東京都台東区において場面設定による会話,大阪府内において自由会話の収録を行った。 2.場面を設定した方言談話の収録・記録を行っている研究者との意見交換を行った。 3.未公刊,または,電子化未整備の録音・文字化資料の文字化テキストの入力作業を進めた。電子化に際しては,音声の表記法,方言と共通語訳の提示方法,単純で検索しやすいデータベースの構造等について昨年度までに立てた方針にしたがった。 4.蓄積された録音文字化資料の電子化データを用いて,方言における原因理由表現の形態と意味用法の整理を行った。 5.文字化テキストのデータベース化の方法の解説と,電子化テキストを用いた研究例を中心に,研究成果報告書をまとめた。
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