研究概要 |
本年度も昨年に引き続き,GHQ占領下のジャーナリズムと文学研究を行ううえで研究の基礎となる以下の作業と考察を行った。 1.プランゲ文庫雑誌コレクションのうちの広島県版484タイトルのうちから,「愛郷」〜「日時計」までの74雑誌を抽出。 2.マイクロフィッシュ74タイトル約2万1千枚を紙焼きし,ナンバリング等を含め総分類、整理を行った。 3.その中からGHQによる検閲の痕跡が認められるものをすべて抽出し,以下のような整理をした。 (1)欄外に英文表記の指示があるものとそうでないものとに分類。 (2)本文の指示を以下のように記号ごとに分類。 a.棒線によるもの。b.⌒によるもの。c.×によるもの。d.「」によるもの。 以上の検閲箇所本文を翻刻し,基礎資料を作成した。 4.検閲に関する先行文献(堀場清子,江藤淳らの著作)により,今日までに明らかにされた検閲のシステムを整理した。 次年度は,翻刻を終えた検閲箇所の指示がいかなる内容に及び,また,それらの指示がいかなる理由によるのかを明らかにし,広島県の雑誌検閲の実態として冊子にまとめたい。
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