研究概要 |
唐話辞書の発展・系統史研究の初年度は、基本的な問題として唐人屋敷での言語活動を取り上げ、調査した。唐話辞書とその翻訳語彙は、唐蘭貿易の現場(唐人屋敷、唐寺など)で日常的に使用される実用語であった。唐話辞書・翻訳語彙が果たした社会言語としての機能と役割を系統的.具体的に調査を進めた。 1、未調査の唐話辞書の所在調査・書誌的調査をおこなった。(若木・連・高山)。 国会図書館、大東急記念文庫、慶応大学図書館、京都大学図書館など 2、地元長崎の唐通事家唐寺・唐人屋敷に関する資料収集を並行して行った。 呉家の墓、東海家の墓、徐家の墓、魏家の墓など長崎の春徳寺他の唐通事たちの墓碑の調査を行い、その系譜と中国の原郷を探索した。(若木・連) 3、「唐通事・林道栄の生活と文事」と題して研究発表を行った(若木、九州大学国語、国文学会、平成13年6月3日日曜、於、九州大学留学生会館)。 4,「唐通事と唐人屋敷-福州語の時代-」と題して報告した(若木、於、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所、平成13年8月29日水曜)。 5,「唐通事と唐話辞書-「唐通事会所日録」の世界-と題して発表した(若木、西日本国語国文学会、於、別府大学)。南京語系・福州語系・〓州(泉州)語系など唐話辞書の紹介と言語系統を検討した。
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