研究概要 |
平成14年度の研究実績 唐話辞書の発展・系統史研究の2年目であり、継続的に唐話辞書の発掘のために各地の図書館や文庫め基礎調査を進めた。若木は鹿児島大学の薩摩藩島津氏玉里文庫の辞書の調査を行った、島津氏は会話用の辞書を作り、『金瓶梅』などの注釈書を所蔵しており、江戸藩邸での言語活動の一端が判明した。また唐話辞書の翻訳語彙は、唐蘭貿易の現場(唐人屋敷、唐寺など)で日常的に使用される実用語であり、明清文化の反映が認められる。それらの語彙の社会言語としてもつ機能と役割を解読する作業を進めた。 1,平成14年度に唐話辞書の所在調査・書誌的調査をしたところは次の7カ所。 (若木及び高山が調査) 国立公文書館・国文学研究資料館・国会図書館・鹿児島大学附属図書館・茨城県立図書館・茨城県歴史館・長崎県立図書館 2,長崎の唐寺、崇福寺、皓台寺の墓域を調査した。唐通事たちの墓など未調査分が多数有り、今後とも相当の日時を要することがわかった(若木調査)。 3,「異文化交流史の舞台一出島・唐寺・唐人屋敷一」と題して若木が講演を行った(第67回低温工学会、2002年10月31日木曜、於長崎ブリックホール)。 4,内藤湖南の中国史学論及び漢語・翻訳語彙について検討を進めた(連清吉)。
|