研究課題/領域番号 |
13610514
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研究機関 | 清泉女子大学 |
研究代表者 |
佐伯 孝弘 清泉女子大学, 文学部, 助教授 (40255956)
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研究分担者 |
杉本 和寛 東京芸術大学, 音楽学部, 助教授 (40282545)
長谷川 正江 日本大学, 生物資源科学部, 助教授 (70307817)
篠原 進 青山学院大学, 文学部, 教授 (80133271)
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キーワード | 江島其磧 / 『丹波太郎物語』 / 『西鶴俗つれづれ』 / 伊勢参宮 / おかげ参り / 『けいせい伝受紙子』 / 赤穂物 |
研究概要 |
佐伯孝弘は「其磧の焦り-『丹波太郎物語』をめぐって-」を発表。西鶴作を装う偽作『丹波太郎物語』と笑話の関係を検証し、其磧は出版に関わったのみで実作者であるまいと推定した。篠原進は「『西鶴俗つれづれ』上桙考」を発表。『俗つれづれ』が本来出版コードに抵触する危険のあるモデル小説だったのではないか、その'毒'を遮蔽するのが団水の加筆や書名のネーミングだったのではないかと推測。倉負正江は「伊勢参宮と出版-慶安・宝永のおかげ参りを中心に-」を発表。おかげ参りが文芸上に描かれる場合多く神異譚を伴うことや、おかげ参りを当て込む作品の刊行が一層おかげ参りの流行を促す効果があったであろうこと等を検証。杉本和寛は「赤穂事件虚構化の方法と意味-享受者の視点をめぐって-」を発表。『けいせい伝受紙子』などの「赤穂物」浮世草子を取り上げ、より事実らしさが求められていく傾向を指摘。当時、実録というジャンルの登場し始めの時期だったことの影響を想定する。以上は、全て、『江戸文学と出版メディア-近世前期小説を中心に-』(冨士昭雄編、平成13年10月、笠間書院刊)に掲載された。 浮世草子文献目録作成については、データベース作成の方針を作成。グループに分け、研究作業補助員も使って、研究文献の複写の収集作業を進行中。翻刻する浮世草子作品については、何作か候補を挙げ、現在選定中である。
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