1、流布本『源氏小鏡』の調査 (1)問題:『源氏小鏡』は中世・近世において最も流布した梗概書であるのに、影印・翻刻は九本しかなく、いずれも所蔵者が公開したにすぎず、本文は必ずしも良いとは限らない。 (2)刷査:前年度で取り上げなかった流布本『源氏小鏡』(計47本)をすべて調査し、系統ごとに代表的な善本を選び出した。 (3)結果:翻字をフロッピイに保存し、解題も付けた。 2、科学研究費補助金学術図書の交付申請 本研究の成果をまとめて『「源氏小鏡」諸本集成』と命名し、日本学術振興会の平成15年度科学研究費補助金公募に応募した。小著の内容は、以下の通り。 (1)翻刻:『源氏小鏡』の重要な伝本を系統ごとに13本厳選し、全文を翻刻した。その中には本邦初公用の稀本もある。小著の刊行により『源氏小鏡』の伝本が、初めて系統別にすべて容易に見られるようになる。 (2)解題:『源氏小鏡』を系統別に扱い、それぞれの特徴を論じる。小著の刊行により、『源氏小鏡』の全容が初めて解明される。
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