研究課題/領域番号 |
13610540
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研究機関 | 愛知県立大学 |
研究代表者 |
岩田 礼 愛知県立大学, 外国語学部, 教授 (10142358)
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研究分担者 |
樋口 勇夫 名古屋学院大学, 外国語学部, 助教授 (70267912)
吉池 孝一 愛知県立大学, 外国語学部, 助教授 (30220586)
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キーワード | 語声調 / 軽声 / ピッチ / EMA / 顎位 / 舌位 / 調音結合 |
研究概要 |
本研究は、漢語諸方言における声調と"重音"(ストレスアクセント)の関係を、実験音声学的手法によって明らかにすることを目的とする。 本年度(13年度)は、国内の中国人方言話者を対象として、音声データを収集するとともに、次の二点について、データ収集、データの整理・分析を行なった。 (1)音響分析 『現代漢語方言音庫』所収の全国40地点方言のうち北方諸方言について、音声分析ソフトを用いて語声調のピッチ(FO)、音節長、強さを観察した。その結果、従来"点"として捉えられてきた軽声の線状性の実態が明らかとなった。また一般的傾向として、軽声のピッチは語末に向かって下降すること、但し低(平)調の後では下降がみられないこと、等が明らかとなった。 (2)調音分析 NTTコミュニケーション科学基礎研究所(厚木)の実験施設において、電磁調音測定装置(EMA)を用いた調音実験を行い、声調発話時の顎位、舌位、唇位を測定した。その結果、低声調と高声調の発話では、Y軸方向の顎位及び舌位に有意味な違いがみられること、それが語声調(一つの"重"音節声調によって一義的に定まる単語・フレーズの声調)などの調音結合においては、差異が縮小する傾向があること等が明らかとなった。 以上、(1)、(2)の知見については、平成14年度中に国際会議において、報告する予定である。
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