研究概要 |
昨年度から継続して、研究代表者である小野は定期的に研究会をオーガナイズし,研究分担者の進行状況を把握するとともに,研究分担者間の情報交換を行った.研究会は7月から2月の間定期的に行った. これも昨年度からの継続課題であるが、「概念スキーマに基づいた構文論」をテーマに各々の担当分野で検討を行った。小野は、その成果の一部を、昨年度に引き続き、海外の国際的な学会において発表する機会を得た。今年度は、2002年9月にフィンランドのヘルシンキ大学で開かれた、構文文法理論の国際学会(The Second International Conference on Construction Grammar)において、Locative Inversion in English and Japanese.という題目で発表を行った。その概要は次の通り。日本語と英語に共通して見られる「所格交替構文」には、生起する動詞に両言語に同じような制約がある。一般に、この構文に用いられる動詞は「場所や存在」の動詞に限られる。しかし、同時に、両言語には人の行為を表す動詞も生起する場合が観察される。構文文法の枠組みで、この動詞と構文の意味融合の問題を考察した。特に構文間の継承という概念を明らかにし、また、日本語と英語の類型論的な相違点も明らかにした また,堀江は日本語の動名詞についての研究を類型論的な観点からまとめ、次ページに記載の論文を発表した.また、同様に類型論的な観点から、動詞の文法的特徴について考察した論文を発表した。
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