平成13年度はプロジェクトの予備的段階として、ハード、ソフトおよび文献を購入・整備し、約10万語のコーパスを構築、学生の選択による関連URLの目標リストを作成した。さらに、2つの事例研究を行った。こうした予備研究の結果、(1)学生がリーディングの際、どのようにコロケーションに気づき、取り出すのかについての詳しいインタビュー調査を実施できた(2)学生がコロケーションに気づき、取り出し、これを分析するにあたって直面するいくつかの困難点を確認した(3)次年度において質的研究が必要であることがより明確となった。 さらに、学習者が一般テキストからどのようなコロケーションを取り出すか、またテキスト要約にあたってどのコロケーションを用いるかについて、あるクラスを対象に予備調査を行った。この調査で興味深い知見が数多く得られた。まず、コロケーションヘの注目と、その取り出し、産出との関係についてである。加えて、学生はコロケーション内で、日常的によく用いられる語彙よりも専門用語にまず注意を払うという点が明らかになった。このことから、次年度適切なリソースを構築するには、細心の訓練計画を数多く考案する必要があるといえる。今年度終盤の研究焦点は、こうした訓練計画の作成と、コーパス化作業を戦略的な見出し語リストに拡張することである。 平成13年度中、本研究について、英国、日本、タイでそれぞれ開催された3つの国際会議で発表し、同分野の研究者との意見・情報交換を行った。
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