平成14年度は、予定通りアメリカ合衆国へ出張し、ネイティヴ・アメリカン文学の研究者との研究交流を深めることができた。特に、アメリカにおけるネイティヴ・アメリカン文学研究のほとんど創始者といえるチャールズ・ラーソンと、十分に議論し、相互の研究内容を確認しあい、また著書の交換ができたことは、これからの研究の展望を広げ、おおいに役に立つと考えられる。 アメリカの大学におけるネイティヴ・アメリカン文学の教育状況も把握することができたことは、収穫であった。アメリカ合衆国の大学では、ますます盛んにネイティヴ・アメリカン文学が教えられているようではあったが、何人かの研究者と交流するなかから、アメリカにおける研究状況、あるいは、ネイティヴ・アメリカン文学への取り組みへの感性が、私とはまったく違っていることを発見し、驚愕するとともに、日本人研究者がネイティヴ・アメリカン文学研究をする意義を確認した。このことに関しては、日本アメリカ学会会報(平成15年1月30日、No.148)の巻頭エッセイに、「アルファベットの基準」と題して論じた。 19世紀末に設立されるようになった、インディアン学校に関する資料を収集した。
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