1.カリブ文化・文学研究集会の主催。 平成13年9月に立ち上げたこの研究会が軌道に乗り、14年度は東京と関西で交互に、計4回(第3回から第6回まで)開催できた。第3回5月12日、立教大学にて。「アメリカとカリブと奴隷制」(小林憲二)「モダニズムと敵国主義」(大和田英子)「エドウィージ・ダンチカの文学世界」(井上正子)第4回7月7日、大学コンソシアム京都にて。「voodouとvoodoo」(山本伸)「個人と"country"」(風呂本惇子)第5回9月21日、青山学院にて。「カリブ海の教育とコロニアリズム」(岩瀬由佳)「キャリル・フィリップスの作家形成と問題意識」(加藤恒彦)第6回12月7日、神戸外語大にて。「ジャマイカ、ハイチとHurston」(西垣内摩留美)「カリブ女性の表象一諺を通して」(楠瀬佳子)。歴史、社会、文学、宗教各分野に目配りしながらカリブ文化とポストコロニアリズムの関係の把握に努めた。出席者の顔ぶれも大体決まってきたので、15年度にはさらに4回の集会をかさね、発表と討論の成果を書物にまとめる予定である。 2.英語圏以外との連携。 アメリカ学会会報148号(15年1月)に『クレオールのかたち-カリブ地域文化研究』(遠藤泰生他著)書評。 EUジャバンフェスト主催シンポジューム「グローバル化で文化はどうなる?」に出席。(かつて著作を翻訳したグアドルーブのマリーズ・コンデの講演を聞き、あとで懇談。カリブ出身者にとっての国籍意識について聞く。 3.11月にバルバドスにて開催予定であった第5回国際カリブ文学会が資金不足でキャンセルになったため、予定を変更して7月末-8月初めの1週間、ブリティッシュ・ライブラリー(ロンドン)にて資料収集。求めていたヴードゥーに関するものに数点出会ったが、時間切れとなり再度の収集渡航を企画中。
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