私はこれまで、シェイマス・ヒーニー全詩集をコンピューターに読みとり、それを十分に校正したテキスト・ファイルとして完成してきた。これを、コンコーダンスにするためには、コマンドとの関係で、特殊な記号等を挿入した、コンコーダンス用テキストに加工する必要があった。更に、そのコンコーダンス用テキストを、文章解析プログラム(Micro-Oxford Concordance Program)を用いて、コマンド・ファイルを作成し、その後手による膨大な作業を経て、これまでに出版されてきたヒーニーの全ての詩集のコンコーダンスを作成した(第1冊A-L、序16頁、本文1〜658頁、第2冊M--Z、本文659頁〜1322頁)。ヒーニーのコンコーダンスの完成は世界で始めてであろう。 そのあとのグロサリー作りであるが、Tomonori Matsushita's A Glossarial Concordance to William Langland's The Vision of Piers Plowman - The B-Textや、C.T.Onions' A Shakespeare GlossaryやMarvin Spevack's The Harvard Concordance to Shakespeareの方法論等を参照にしながら、注釈すべき語の選び方、定義の仕方等を考えた。難解語義と思われるものには、glossaryを付したが、それはGlossarial Concordanceの下に、glossaryを付ける必要のない語は、Verval Indexの下に、別々に分類をして提示した。 本研究では、簡潔を旨とすべきとの方針の下に、Concordanceの機能を失うことなく、難解な語義のglossaryを作成した。定義は、英語と日本語の併記を原則とした。その成果を、鳥取大学教育地域科学部紀要(教育・人文科学、第4巻第2号、2003年;同、第5巻第2号、2004年)に発表した。Glossaryに関しては(第3分冊)、Death of a Naturalist及び Door into the Darkの2詩集である。
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