研究概要 |
本研究は、2000年1月ノートン社から出版されテキスト化されたHenry David Thoreau最晩年の自然史作品『野生の果実』(Wild Fruits,執筆1859-1861>をエコクリティシズム(ecocriticism)の方法で研究し、『野生の果実』の現代的意義を評価することを目的とし研究実績として以下6点の成果発表を行なった。 1.2002年11月に松柏社よりWild Fruitsを『野生の果実-ソロー・ニュー・ミレニアム』と題して翻訳出版し、同書の意義を「はじめに」で論じ、ソローがこの手稿執筆に際し参考した文献約150点を調査し、書誌を付け、植物名、地名インデックスも付け、『野生の果実』のほぼ全容を解明した。 2.『野生の果実』に表れたエコロジー思想の先駆的予言的表明と、現代のケイルダネス思想の関連を2本の論文「野生果実の喪失と復活」「進化する名著-新たなるウィルダネスのシナリオ」と題して『アメリカ文学ミレニアム』(南雲堂)及び英語青年に発表した。 3.『野生の果実』に表れた風景美学の問題を「ピクチャレスク美学を越えて-ソローとルーミニズム」(論文集共著・編集『アメリカを超える-新しい風景の創造』南雲堂、2003年5月刊行予定の著書第3章に所収)と題する論文とした。 4.ソローの現代ネイチャーライティング作家への影響を「新しきウィルダネス-ユタから『悦楽の園』への越境」(論文集共著・編集『アメリカを超える-新しい風景の創造』南雲堂、2003年5月刊行予定の著書第題17章に所収)と題題する論文とし、2003年3月6日琉球大学で開催された文学環境国際シンポジウムで英語で発表した。 5.エマソンとソローの関係について「透明な眼球-エマソン生誕200年」と題し、『ソロー論集』(日本ソロー学会誌)に発表した。 6.関連の書評3本を、『ヘンリー・ソロー研究論集』他に発表した。
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