1.ピューリタニズムの変容を鯛べるに当たり、ディキンスンが詩作の指導を仰いだ評論家・社会改良家のT.W.Higginsonの思想との関係を調べつつ、ディキンスンからヒギンスンへの主要な手紙を翻訳した。『丈学研究』97(2000年3月。さらにディキンスンの知友である新聞社の主筆SamuelBowlesや判事Lordとの関係に見られる彼女の自然観・教会観などを調べた。『文学研究』98。さらには、ディキンスンの学生時代の彼女の学校友達、兄、それに従妹たちへの手紙に見られる彼女の教会や学校に対する態度の変化を調べた。『文学研究』99。 2.フルブライト研究員に選ばれ、2001年9月から12月まで、ディキンスン研究の権威であるアメリカはブラウン大学のSt.Armand教授の下で親しく研究する機会を得た。 3.『九州アメリカ文学』42号(2000.11)に「隠遁詩人ディキンスンのマグマ」と題する論文を発表した。 4.彼女が学んだMt-Holyoke Semmaryでのカリキュラムと近しいと当時のアマースト大学で学んだ内村鑑三のアメリカ留学時代のカリキュラムなどを比較点検することで、当時のアマースト大の教育が自然科学を中心とする実学に重きを置く反面、キリスト教的な信仰を重んずる宗教的な色彩の強いものであることを確認した。 5.今後はアメリカのNewEnglandと同時代のイギリス19世紀文化・宗教の連続性の研究の必要性を痛感し、現在イギリス丈学を伝統と反伝統の立場から研究中である。
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