研究概要 |
本年度は、レディ・メアリ・ロウスのソネット連作集『パンフィリアからアムフィラントスへ』を研究会を主宰して綿密に精読する作業を実施している。参加者は、中村学園大学非常勤講師、福岡女学院大学非常勤講師、福岡女子大学大学院博士後期課程の学生、九州大学大学院修士課程の学生と私との五名である。もう少しでこの作品を読了できるところまで来ている。この成果は、翻訳と注解として、来年度の福岡女子大学文学部紀要「文藝と思想』に掲載し、その作品論をいずれ書く予定である。 また、レディ・メアリ・ロウスとの比較研究の一端として、サー・フィリップ・シドニーの処女作『五月祭の佳人』の翻訳・注解・解説を福岡女子大学文学部紀要『文藝と思想』第66号に発表した。 更に、これらを統括するための文学批評理論の開拓のために、David Lodge, The Modes of Modern Writing : Metaphor, Metonymy, and the Typology of Modern Literatureの翻訳に従事している。これは来年度には訳了し、大阪大学大学院教授玉井章氏との共訳で松柏社から出版の予定である。 最大の懸案であるレディ・メアリ・ロウスの長編ロマンス作品『モントゴメリ夫人のユレイニア』については、少しずつ解読作業を進めているが、大変長い作品であり、かつまた、かなり難解な箇所もあり、読了までにはまだかなり時間がかかりそうである。
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