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2003 年度 実績報告書

フランス語空間表現の文法化研究

研究課題

研究課題/領域番号 13610602
研究機関東北大学

研究代表者

阿部 宏  東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (10212549)

キーワード空間 / 時間 / 多義性 / 主観化 / 認知 / 意味拡張
研究概要

最近の認知意味論や文法化研究で指摘されることの多い空間表現から時間表現の意味変化・意味拡張の様相について,フランス語の単純前置詞,複合前置詞,また日本語,英語の関連表現を中心にデータを収集し,通言語的共通性と各言語の特殊性について考察した.また,比較・程度表現との平行性について,特に意味の主観化との関係で考察した.
単純前置詞としては,a, dans, sur, en, par, de, devant, derriere, sous, entre, vers, via,複合前置詞としては,au bord de, au bout de, au coeur de, en l'espace de, a l'etape de, jusqu'a, a partir de, a la sortie de, pres de, en face de, le long de, autour de, aux alentours de, au-devant de, a l'approche de, au-dela de, a la suite de, a traversなどの多義性を実例をもとに検討し,いずれにおいても空間から時間への文法化が生じていること,複合前置詞については意味変化のルートが比較的明快であるが,これは語彙的意味の希薄化が完全ではないことによることなどを明らかにした.各例において空間的意味であるか時間的意味であるかの判定は必ずしも明確ではない場合も多いが,これは起源がメタファーやメトニミーによると考えられるこれらの意味変化・意味拡張においては,それらの転意の主体が発話者個人かあるいは言語使用者に共同化されているかに程度差を導入すべきことを示唆するものである.
関連して,日本語の「あと」,「まえ」,「さき」などの空間表現の時間的意味への文法化,フランス語plus ou moins, encore moins, qui plus est, meme,英語more or lesse, still less, what's more, evenなどにおける多義性を考察し,ここに空間表現の時間的意味への変化との共通性を指摘し,尺度の主観化という仮説を提起した.
詳細については,「研究成果報告書」を準備中である.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 阿部 宏: "MemeのETAIAM用法とその否定のmeme pasについて"フランス語学研究(日本フランス語学会). 38(印刷中). (2004)

  • [文献書誌] 阿部 宏: "程度と主観性について"文化(東北大学文学会). 67,1/2. 1-15 (2003)

  • [文献書誌] 阿部 宏: "A propos de la polysemie de la locution plus ou moins"ACILFR(国際ロマンス語言語学・文献学会). 23,3. 3-10 (2003)

  • [文献書誌] 阿部 宏: "成句「以上でも以下でもない」と尺度"東北大学文学研究科年報. 52. 158-148 (2003)

  • [文献書誌] 阿部 宏: "文法化とフランス語"フランス語学研究(日本フランス語学会). 36. 68-74 (2002)

  • [文献書誌] 阿部 宏: "「あと」の時間的用法再考"東北大学文学研究科年報. 51. 256-245 (2002)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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