研究概要 |
本研究の目的の一つは,我が国でこれまでに刊行・発表されてきたスペイン語言語学における既刊論文の著者、テーマ、使用データなどによる検索データバンク作成であるが,平成14年度は,研究代表者および分担者の既刊の業績をサンプルとしてコーパス化するための試みを行った.とくにスペイン語学習者が遭遇すると思われる文法および語法上の疑問点に対する回答となりうる可能性のある例(文)が検索できるような工夫を行ってきた.この試みをもとに,さらに主要な研究者の著作まで拡張し,コーパスを蓄積していくことになる.このコーパスを利用してスペイン語学習者および研究者が具体的な疑問を解決したり,スペイン語の言語学研究への導入となることを最終的に目指している. さらに平成14年度は,平成15年に予定しているスペインにおける実地調査に向けての準備を部分的に行ったスペイン語学習者が疑問として抱くような文法、語法上の典型的な問題点を100程度の選択肢問題として準備した.今後実地調査までにこれを国内の若干名のインフォーマントで試行し,より効率よい問題形式へと洗練させていかねばならない. 平成14年度は,また実地調査のための現地研究者ともコンタクトをとり始めた.現在までに,マドリード,セビリア,アンダルシアのさらに2地点オビエド,パンプローナ,バルセロナなどから調査協力を約束されている.今後,日程を調整し,被験者を大量に依頼する作業が残っている. このような文法課題の支柱となる理論的研究も各分担者の平成14年度の実績であることはいうまでもない.これについては添付の業績表を参照されたい.
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