研究概要 |
1.下記の調査地点で複合名詞のアクセント調査を行なった。 喜界島小野津方言,湾方言,荒木方言; 奄美大島大和村国直方言,大和浜方言,戸円方言; 奄美大島宇検村阿室方言,佐念方言,宇検方言,湯湾方言,名柄方言,平田方書; 奄美大島住用村西仲間方言; 奄美大島瀬戸内町芝方言,西古見方書,池地方言; 徳之島天城町浅間方言,松原方言(3月になお追加調査を予定); 与論島麦屋東方言(3月になお追加調査を予定) 沖永良部島を除き(日程上の都合),ほぼ予定通り調査をすることができた。 2.動詞活用形のうち,進行相(〜ている)の種々の活用形のアクセントも詳しく調査した。連用形+ヲリからなる形で,これも一種の複合動詞に当たる。その調査地域は,やはり沖永良部島を除くすべての島に及び,かつその調査地点数も1に示した複合名詞を上回った。方言の衰退に伴って複合名詞はなかなか思い出せない話者が多く,そういう人は途中から動詞進行相のアクセント調査に切り替えたためである(活用形は全体が組織的になっていて,個別的な性格をもつ名詞よりもよく保存されている)。その結果,動詞・形容詞の基本形,その活用形,そして進行相の活用形のアクセントが,ほぼ奄美全域の主要地点で明らかになった(沖永良部島も基本形と活用形は調査済み)。 3.喜界島小野津方言について,付属語のアクセントも詳しく調べ,同じ拍数でも単の付属語からなるか,複数の付属語からなるかによってそのアクセントが異なることを明らかにした。
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