1 総論 昨年度に引き続き、日本語の大規模な電子資料を利用して文法・語彙・音韻に関わる諸事象の分析・考察を行った。 2 研究成果の発表 (1)公刊論文 本研究課題に基づく研究代表者の近刊の著書・論文は以下の通りである。 (a)『Perlプログラミング-テキストデータ処理の基礎-』 (大阪外国語大学学術研究双書、近刊) (b)「現代語のモダリティ」 (『朝倉日本語講座6文法II』、朝倉書店、近刊) (a)は、電子資料を利用した日本語研究に関する研究代表者のこれまでの経験を踏まえ、テキストデータ処理に適したプログラミング言語Perlを使って電子媒体の言語資料をコンピュータで自在に処理するため技法の基礎を解説・紹介したものである。(b)は、昨今の日本語文法の研究において重要な研究テーマの1つと目されている"モダリテイ"の概念の通説的な理解に抜本的な再検討の必要があることを、電子資料から得られるデータをも援用しつつ論じたものである。 (2)研究成果の発表など 2002年9〜10月には北京日本学研究センター(中国)、同12月には大阪大学文学部・文学研究科において「電子資料と日本語研究」という題目の集中講義を行い、電子資料を利用した日本語研究の可能性と問題点について講じた。また、同9月に北京日本学研究センターで開催された国際シンポジウム「日本研究の深化と発展」におけるパネルディスカッション「コーパス言語学の新展開」には招待パネリストとして参加し、「コーパス言語学の可能性と限界」という題名で発表を行った。
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