研究概要 |
平成14年度は以下の三点について行った: ・『コミュニカティブな文法指導 理論と実践』第I部,第6章「日英語対比と文法指導-時間表現を中心に-」を執筆した。英語の授業において、学生の英訳に、日本語の「V-る/た」と英語の過去形、現在完了形、過去完了形、仮定法過去の対応にかなりの混乱があることを観察し、その要因を分析した。また、日本語英語のテンス・アスペクト対応を英語教育の現場でいかに簡潔に示すかについて指導法を提示した。 ・日本語・英語で、動詞のアスペクトが、文レベルになると変化する例を、言語学の図書、雑誌、データベースCD-ROM、電子辞書などから検索、収集した。 ・V-ing形の名詞のアスペクト変化について考察した。例えば、開始のアスペクトを持つ動詞beginに-ingが付加されて名詞beginningになると完了のアスペクトに変化する。このようなアスペクト変化を伴う動詞の派生名詞の例を観察し、その要因を動詞自体の意味構造と-ingのもつ意味構造との構成によって説明を試みている。
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