本研究は平成13年度から15年度までの三年の予定でおこなわれるもので、本年度が初年度にあたる。まず、デスクトップのパソコンとラップトップのパソコンをそれぞれ一台ずつ購入し、一台は京都造形芸術大学の長田研究室に設置し、もう一台は日本で唯一のムンダ語話者であるマドゥ=プルティが使用した。 ムンダ語研究の金字塔ともいうべきエンサイクロペディア・ムンダリカを、コンピューターに打ち込むことが本研究の主な目的である。ただ、コンピューターに打ち込むのではなく、ムンダ語話者の研究協力者が自分の母語と比較しながら、打ち込んでいった。また、ムンダ語は品詞の区別がない言語だといわれているが、エンサイクロペディア・ムンダリカには品詞の区別が表示されており、その表示をそれぞれ別の項目として、打ち込むことも本研究の特徴である。具体的にいえば、打ち込む項目別にフィールドを設定し、ムンダ語、そして品詞情報、英語の順に打ち込んでいく。その際、ムンダ語話者である研究協力者に、エンサイクロペディア・ムンダリカに掲載されたムンダ語の単語や英語の意味が研究協力者の方言と同じかどうかチェックし、異なる場合にはそのムンダ語の単語や意味を打ち込んでもらうことにした。本年度は全部で15巻からなるエンサイクロペディア・ムンダリカのうち、3巻のみを打ち込んだだけであるが、それでも打ち込み作業すべてに謝金を払うことができなかった。平成14年度と15年度で、なんとかすべてを打ち込みたいとかんがえているが、このままのスピードでは難しいかもしれない。打ち込みを終えた部分だけでも、インターネットで検索できるように、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所の峰岸助教授と現在検討中である。
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