研究課題/領域番号 |
13610679
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
筑和 正格 北海道大学, 言語文化部, 教授 (50002225)
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研究分担者 |
古賀 弘人 北海道大学, 言語文化部, 教授 (80234730)
長井 裕子 北海道大学, 言語文化部, 教授 (50135604)
鈴木 純一 北海道大学, 言語文化部, 助教授 (30216395)
清水 賢一郎 北海道大学, 言語文化部, 助教授 (90262097)
野坂 政司 北海道大学, 情報基盤センター, 教授 (50113600)
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キーワード | 都市 / 公共圏 / コミュニケーション / メディア / エディターシップ論 / テクスト論 |
研究概要 |
本年度は最終年度ということで、これまでの研究経過の全般的な整理と、各メンバーの分担領域における成果の検討を中心に作業は進められ、年度末には報告論文を執筆した。その主たるテーマとして、(1)「都市」と「公共圏」の原理的な関係性についての考察(都市における「異質なもの」の公共的機能/文芸的公共性の再構成としてのエディターシップ論/情報メディア都市と均質化の問題)、(2)文学テクストを素材にしつつ「都市と公共圏」の歴史的な成立と推移を論じたもの(19世紀ミュンヘンにおける市民的公共圏の推移とその文学的な表象/清末民初北京の劇場に公共圏的空間の性格を認める考察)、(3)現代都市のアクチュアルな公共圏の論考(政治的な集会とその報道における公共性の在り処/地域活性化戦略と都市の公共性/現代における文芸的公共圏の可能性としての文芸フェスティバル)等が挙げられる。いずれの研究においても、都市の公共圏の推移が洋の東西を問わず近代化のメルクマールと考えられ、その過程は現代都市のあり方に影響を与えていること、都市の「公共性」はヨーロッパにおける市民的公共圏を暫定的な範例としつつも「異質なるもの」との融合により様々な文化的性格を帯びること、そしてその具体的な現れ方は、極めて鮮明な形で各時代・地域の文学作品に保存されていることが明らかにされている。また、これらの都市公共性の進化を大きく左右していたのは異文化接触を活性化するメディア・コミュニケーションの形式であることも検証された。
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