研究課題/領域番号 |
13610682
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
荒木 正純 筑波大学, 文芸・言語学系, 教授 (80015883)
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研究分担者 |
吉原 ゆかり 筑波大学, 文芸・言語学系, 講師 (70249621)
南 隆太 神戸市外国語大学, 外国語学部, 助教授 (60247575)
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キーワード | 英文学 / 米文学 / 日本 / 東アジア / 受容 / 翻訳 / 翻案 / 19・20世紀 |
研究概要 |
本年度は主に、日本、韓国の翻案・翻訳関係資料の収集整理と、基礎的な研究環境の準備を行った。荒木正純は、韓国における英米文学の基礎調査を行うとともに、芥川龍之介によるキップリング作品の翻案に関する論文を発表し、留学生を含めた院生を対象に、翻案・翻訳の場に働く力学の教育につとめた。南隆太は日本、東南アジアおよびオーストラリアにおけるシェイクスピア上演の研究を展開し、本研究の可能性をさらに拡大した。その成果が"What Happened Shingeki Shakespeare?", Performing Shakespeare in Asia である。吉原ゆかりは日本における英米文学の基礎調査を行い、植民地時代の日本におけるシェイクスピア翻案作品の研究を行った。南と吉原は2001年7月エディンバラで開催された International Symposium:Japanese Theatre in the 21st Century.に参加し、パネル"Inter-Intra-cultural Shakespeares in Japan"で発表を行った。その成果として、合衆国、イタリアを含む日本演劇研究者との交流が深まった。本年度の研究の結果、本研究と、たとえば植民地時代の朝鮮半島における能・歌舞伎の上演とコロニアリズムなどの、より広範におよぶ文化交流の研究との接続が急務であることが明らかになった。本年度は主に演劇に重きを置いたが、次年度以降はより広範な英米文学受容に視野を広げる必要がある。日本や日本の旧植民地の文学者の多くが直接間接に英米文学の影響を受けている場合が多いため、一般的には翻案・翻訳として扱われていない作品や、旧植民地で日本語で書かれた作品をも研究の視野に含めるべく、基礎資料の収集にあたった。
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