14年度は主に早稲田大学中央図書館、早稲田大学現代政治研究所図書館において、明治期の新聞小説に関する資料調査・収集を行った。また、大学の夏期、`および、春期休業期間には、コリンデール大英図書館付属新聞図書館、ニューヨーク公立図書館で、十九世紀アメリカ、カナダ、オーストラリアの大衆紙に連載された新聞小説に関わるデータの収集を行った。現在進行中の研究成果は、2001年9月ニユーヨークで開催された、Research Scciety for Victorian Periodicalsの国際会議で発表された。これは十九世紀の国際的コンテクストにおける新聞連載小説の事情とヴァラエティーを概観したものであり、主として、本研究の対象地域であるフランス、イギリス、日本、アメリカ、イギリス・コモンウェルス諸国を比較する。この発表は、Book Historyという世界的にも権威ある雑誌に掲載される予定であり、現在、編集・校訂を行っている途中である。また、以下のような海外の共同研究者とは、eメールや直接の会合を通して、定期的に研究・情報の交換交換を行っている-ロンドン大学アンドルー・キング、メイン州ベイツ・カレッジ、リリアン・ネイダー、レディング大学、バーバラ・オンズロー、クイーンズランド大学、トニ・ジョンソン=ウッズ、ロンドン・ウィルキー・コリンズ協会ポール・ルイス。本研究の理論的支柱に関しては、ベネディクト・アンダーソン、および、フランコ・モレッティの業績を批判的に集中検討したので、2004年にトロント大学から出版される単行本に融合したいと考えている。
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