研究課題/領域番号 |
13620007
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
國谷 知史 新潟大学, 法学部, 教授 (90234468)
|
研究分担者 |
岡 綾子 新潟大学, 法学部, 助手 (50203956)
菅沼 圭輔 福島大学, 経済学部, 教授 (50222047)
真水 康樹 新潟大学, 法学部, 教授 (80242387)
|
キーワード | 中国土地法 / 中国農村末端行政 / 中国農業経済 / 土地請負経営権 / 農村土地請負法 / 中国地方選挙 / 郷鎮人民代表大会 / 退耕環林政策 |
研究概要 |
本年度は、前年度の文献資料調査に基づく基本的な問題整理を踏まえ、実態的・理論的な問題点の分析に取り組む一方、法及び経済の両分野における問題状況及び実態の聞き取り調査を実施した。調査は國谷知史と菅沼圭輔によって平成14年8月に行われた。國谷は、北京大学で北京大学法学院の銭明星教授(民法)・潘剣鋒教授(民事訴訟法)と面接し、農村土地請負経営権の設定及び紛争処理並びに農村土地請負法制定にあたっての問題点について聞き取りを行った。菅沼は、陝西省延安市において請負経営権の分配制度と退耕環林政策の実施に伴う集団の意思決定の特徴について実態調査を行った。実地及び文献調査によって進められた研究の中間報告は、共同研究会で、(1)國谷知史「農村土地請負契約について」平成14年10月1日、(2)真水康樹「『街居制』の問題点と『社区』建設」平成14年12月3日と題して発表された外、(3)菅沼圭輔「耕地利用権分配に関する集団の意思決定一請負期間延長と退耕環林政策の実施状況の分析」と題する討論用研究ノートとして提出された。國谷は、昨年度の婚姻法改正に続き平成14年8月に農村土地請負法が制定されたことで、個人の権利として土地請負経営権を捉える立法が進んでおり、中国法学界でも理論的検討がなされていることを主に契約法の側面から明らかにした。真水は、北京市に対象を絞り、特に農村部における郷鎮人民代表選挙について「北京市郷・民族郷・鎮人民代表大会組織条例」の1996年改正を検討した上で、それと結びつけて2002年選挙の実態を分析した。菅沼は、請負経営権の分配について集団と個人の意思決定の関係や山地を含めた集団所有地全体の利用権分配における「平等原理」の現れ方について文献及び延安市での調査結果から分析し、個人レベルでは耕地の「調整」停止に対する否定的見解が多く存在する等、集団と個人の意思決定にずれがあることを明らかにした。
|