研究概要 |
科研費が追加交付であったところから実質的な研究期間は、2001年12月以降と限られざるをえなかった。もっとも課題に関する研究は、それ以前から開始しており以下の報告には、それ以前のものも含んでいる。研究は(1)理論的枠組、(2)市場と法(競争法)、(3)組織と法(企業組織法)の3分野に分けられる。 (1)理論的枠組 これまでのLaw and Development Studyに関する文献を整理するとともに、1997年の経済危機後の東南アジアにおけるこの問題に関する方法をめぐっていくつかの成果を公表している。(参考文献参照)。またこれまでの枠組に「文化」概念を加えた新しい方法を検討中であり、これについては、2002年1月香港で開催された第4回東アジア法哲学会で報告している。その内容は、第一に法の概念を法規,法システムおよび法文化の3層に区分することと、「国際」「国家」及び「地域」の3社会概念を設定することにより、グローバル化の世界の中での法を立体的にとらえようとするものである。 (2)市場と法 これについては、2000年度の公正取引委員会の受託調査によって、東南アジア主要国の競争法制・政策の概観を終えており、これらの基礎的データの整理とその前提となる「市場」の概念についての検討を行っている。本来市場はある種の普遍性をもっているはずであるが、現実には各国・各地域の文化により修正される。 (3)市場と組織 東南アジアを中心に"Corporate Governance"という視点から知的協力を行っている世界銀行、OECDなどの会議・調査等の資料をインターネットを利用しながら収集・解析を行ってきた。その暫定的な見方については、「転換期のアジア型資本主義」(参考文献)の中で「共同資本主義企業」の問題として提起している。
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