2003年度は、研究の最終年度に当たるので、同年4月にスペインのオニャティの国際法社会学研究所で開催されたワークショップで課題について"Transformation of East Asian Legal Systems in the Global Era : How We can Understand it?"として報告を行った。このワークショップ・ペーパーは近く同研究所より出版されると聞いている。また、同様の内容について同年11月韓国ソウル大学と名古屋大学法学部とのシンポジウムでも報告した。 日本語での成果の取りまとめに関しては、すでに、方法論に関する「3つの法・法理類型と法の3層構造」、法と経済発展に関する「ポスト開発国家の法と経済システム」、「市場システムと法:アジア競争法の生成とその課題」、「企業システムと法:アジア型企業統治と法」の合計4章よりなる研究成果報告書(『アジアの市場・組織・法-開発法学の形成に向けて』研究課題番号13620008)として提出済みである。 現在、これと並行して行ってきた「法と政治発展」(「ポスト開発国家の法と政治システム」、「ポスト開発国家の統治構造」、「人権・開発・文化」などの論稿からなる)および「法と社会発展」(「社会システムと法」、「社会保障システム」および「コミュニテイジャスティス」等の論稿よりなる)に「国際協力と法」(法の移植と法整備支援を検討する)の部分を加えた、『開発法学-アジア・ポスト開発国家の法システム』を、出版助成を得て、単行本として名古屋大学出版会より出版すべく最終段階に入っている。予定では、今年度末には刊行の運びとなっている。
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