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2003 年度 実績報告書

ヴィーコにおける法学の構想の再検討-『弁論術構義』を中心とする総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 13620012
研究機関龍谷大学

研究代表者

兒玉 寛  龍谷大学, 法学部, 教授 (70192060)

キーワードヴィーコ / 弁論術 / 修辞学 / 法学 / 言語文献学 / ローマ法 / サヴィニー
研究概要

ヴィーコ(1668〜1744)は、『弁論術講義』のなかで「訴訟類について」と題して、推定・定義・属性という3つの争点(status)ごとに、伝統的な修辞学トポスの応用を例解して講じている。この限りでは、キケローやクインティリアーヌスの弁論術と大差はない。しかし、ヴィーコにおける修辞学と法学との関係は、単純ではない。その結節点は、そのような例解にではなくて、隠喩・換喩・提喩・反語という譬喩的表現にある。ヴィーコは、古代ギリシャや古代ローマの神話におけるこれらの表現法をとおして、言語の起源を解明し、言語文献学(filologia)を学問の諸原理として確立した。言語文献学に基づいて、人間の活動や制度の発達は、言語活動の発達として把握される。しかも、この言語活動の基礎には、「人類のすべてが共通して感じる判断」としての共通感覚(il sensocomune)が置かれる。その結果、人類史は、神々の時代・英雄の時代・人間の時代の3段階に区分される。法の展開もこの3段階の相のもとで分析され、抽象的法思考の起源が言語活動の発達の産物として提示される。つまり、ヴィーコにあっては、伝統的な修辞学とは異なり、修辞学・言語文献学・法学がトリアーデをなしている。そこでは、法の展開は、それぞれの民族に固有な特殊性とあらゆる民族に共通な普遍性(理念史)との複合として構想される。本研究では、この構想がドイツ歴史法学派の祖サヴィニー(1779〜1861)のそれと近いことについて仮説を提示した。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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