研究課題/領域番号 |
13620017
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
神原 勝 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (30204811)
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研究分担者 |
松村 良之 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (80091502)
北村 喜宣 上智大学, 法学部, 教授 (20214819)
畠山 武道 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (40062666)
林田 清明 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (50145356)
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キーワード | 条例 / 過料 / 法執行 / 放置自転車 / 駐輪場 / 仮想市場法 / フィシュバインのモデル / 計画行動の理論 |
研究概要 |
放置自転車、違法駐輪に規制については、一義的には市町村の権限と責任で行われるべきである。第1に、地方分権一括法の施行によって大きく変容した法環境のもとで、自治体の条例制定権がどのような意味で拡大し、具体的には、どのような可能性があるかを、理論的に検討し、憲法92条が保障する「地方自治の本旨」を踏まえれば、自治体は、自分の事務とされたものについて、法律の趣旨・目的に反しないかぎり、自治体福祉を向上させるような法政策を条例により実現することは可能であると結論づけられた。第2に、具体的な法執行としては、違法駐輪に対する過料処分については、法理論的には迅速な対応が可能になることがわかったが、他面必要な行政リソースも莫大となるからそのフィージビリティについて十分検討する必要があることが認識された。そして、駐輪の多い郊外の駅周辺などについては、法執行のコストを考慮しても、その可能性追求すべきであることが認識された。第3に、放置自転車の撤去については、条例を整備し、撤去しうる放置日数、保管期間、処分などについてコストパーフォーマンスの高い条例の制定が重要であることが見いだされた。そのような観点から、札幌市で最近改正された自転車放置防止条例の実効性について点検した。さらに、違法駐輪者に対する既存の調査研究をサーベイすることにより、第4に、違法駐輪は、自分が守ってもその成果が可視的ではないので、違法駐輪に否定的な態度の人々も違法駐輪すること、第5に、従って社会心理学的なモデルとして、フィシュバインのモデルとか、エイジャンの計画行動の理論は成り立たないことが示された。第6に、仮想市場法による研究によると、価格と便利さをうまく満たせば、彼らの駐輪場への誘導が可能であることが示された。
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