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2003 年度 実績報告書

法人組織税制と無形資産の移転

研究課題

研究課題/領域番号 13620022
研究機関京都大学

研究代表者

岡村 忠生  京都大学, 大学院・法学研究科, 教授 (30183768)

キーワード無形資産 / 知的財産権 / 組織再編成 / 連結税制 / 権利関係 / 株主法人取引 / 租税属性 / 含み損失
研究概要

本年度は、研究の最終年度として、知的財産権をはじめとする無形資産の法人間取引に対するあるべき課税の姿を考察した。その中で、主に次の2点を明らかにした。
第一に、未処理欠損金額や資産含み損失等の租税属性の移転が無形資産取引に関して問題となることがあげられる。すなわち、無形資産に関しては時価と取得価額との差異が大きいと考えられることから、その含み損失の処理(引継や実現した場合の損失計上の制限)について、特別な考慮を払う必要があること、また、未処理(繰越)欠損金額についても、無形資産の開発等に係る部分については、同様の考慮が必要となる。
このことは、本研究の研究期間中である平成14年度に導入された連結税制を検討の視野に入れた場合、より大きな問題となる。日本の連結税制は、原則として欠損金額も含み損失も持込を認めない制度とされているが、無形資産は時価評価が困難であることから、損失持込禁止を破る形で無形資産が利用される可能性が認められる。
第二に、株式の有利発行や種類株式の利用、非按分的分配等による株主法人間の権利関係(interest)の変動を利用し、法人が保有する資産、特に無形資産を実質的に移転する取引が問題となることがあげられる。この取引は、国際課税において日本の課税権が及ばない外国法人に無形資産を保有させた場合、特に大きな問題となる。その対処のためには、株主法人間の権利関係の変動に対する課税の基本的スタンスを確立する必要があると考えられる。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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