研究課題/領域番号 |
13620023
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
村上 武則 大阪大学, 法学研究科, 教授 (60033742)
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研究分担者 |
アンドレアス シェラー 大阪大学, 法学研究科, 助手 (80324739)
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キーワード | スポーツ / 放映権 / ユニバーサル・アクセス / キルヒ / スポーツ報道の商業化 / 連邦憲法裁判所 / 収用類似の侵害 / ワールドカップ |
研究概要 |
(1)2001年度の研究計画実施においては、先ず、特にイギリス、ドイツ、フランスおよびヨーロッパ連合(EU)においてスポーツ放送とユニバーサル・アクセスがどのようになっているかに関し現状分析した。この問題については、最近ではかなりな数の文献も登場し始めてきており、それらに基づいてかなり正確に主要国の現状を把握することができた。また、インターネット等を通して、シェラーが、とくにドイツの最新の情報を得た。 (2)ドイツでは、とくにスポーツ報道の独占的放映権を得ようとしてきたキルヒ・グループの経営手法が行き詰まりつつあり、大きな政治問題となっていることなどに関する情報をインターネットや新聞報道などを通して入手し現状把握に努めた(日経新聞2002年3月11日など)。すなわち、スポーツ報道がますます商業化していることから起こる問題についても考察を加えた。ここには英米型のグローバル経営とキルヒのような旧来型のシステムとの軋轢が見られる。 (3)ドイツにおいては、ユニバーサル・アクセスを認めることとなった1998年2月の連邦憲法裁判所の判決が職業の行使の自由(基本法12条)の制限に対して補償を命じたが、この判例が、ドイツに特有な判例法上の補償制度である「収用類似の侵害による補償」と法理上どのように異なるのかを、オッセンビュールの『国家責任法(第5版)』を分析することにより考察した。それにより連邦最高裁判所の判例が基本法14条に拘泥していることを批判的に検討し、補償を基本法12条にも拡げる判例変更の可能性を吟味した。 (4)ソルトレーク冬季オリンピックやワールド・カップにおける放映権の問題に関し、可能な限り情報を収集し、実態の把握に努めた。
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