本年度は、自治体レベルを中心に制度研究とその運用に関する実態研究を行った。具体的には、自治体が条例等を駆使して先進的な取り組みをしている事例の分析に取り組んだ。土地法に特有の研究としては、土地利用制度の推進と熱心に取り組んできた神戸市、東京都世田谷区・中央区・板橋区、京都市等を対象とした。神戸市に関しては、「近隣住環境計画制度」のほか、建築基準法を弾力的に運用する「インナー長屋制度」などを調べ、京都市については、建築協定を用いて最低敷地面積の規制を行っている例を取り上げ、その実効性確保手法に関し分析した。世田谷区等では、既成市街地内の狭隘道路の拡幅を実現するために、自治体が採用している各種の助成措置を分析した。 このほかに、近時の自治体で市民参加を推進するために行われている新規施策について調査・研究を進めた。主たる検討対象は、生野町まちづくり基本条例、石狩市行政活動への市民参加の推進に関する条例、志木市公共事業市民選択権保有条例、高浜市住民投票条例、宝塚市市民参加条例、ニセコ町まちづくり基本条例、福岡市情報公公開条例、藤沢市オンブズマン条例、三鷹市まちづくり条例、箕面市市民参加条例、横須賀市市民パブリック・コメント手続条例等である。市民参加、政策評価、予算改革の関連に着目した調査のため、国内調査を実施した。収集の条例・要綱等を分析するために、謝金を計上した。
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