本研究課題では、「都市に生きる」ことがもたらすいくつかの問題を、主として私法的観点から分析することを試みた。とりわけ都市生活の「ソフトな側面」「都市における市民生活のあり方」に焦点をあわせ、具体的には、近隣関係における問題(相隣関係・区分所有など)、現代家族に関する問題(新しい家族の形態、高齢化・少子化など)、各種の団体活動・奉仕活動に関する問題(生協・自治会・PTA、スポーツ文化団体、市民運動、無償契約・事務管理など)をとりあげて、これらを素材に、旧来の地縁・血縁とは違った「都市における人と人との新たな絆」を支えるために、民法・民法学がなしうることを検討した。
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