まず、昨年からの外国法研究の継続として、「ドイツにおける旅行規定第二改正法と旅行契約法の改正規定」を、裏面記載の通り、広島法学に掲載した。この論稿では、(1)ドイツで2001年7月23日に成立した旅行法規定改正の第二法律(BGBI. I S.1658)と、(2)同法による改正民法典中の旅行契約法文、さらに、(3)2002年1月1日から施行された「ドイツ債務法現代化法」による改正民法典中の旅行契約法文、および、(4)2002年1月2日告示の法文における「民法による情報提供義務に関する命令(抜粋:第4条〜9条)」を扱った。(1)では、「最低3ヶ月以上の外国でのホームステイ」に関して民法6511条が挿入され、ホームステイ生徒の保護が図られた。(3)では、旅行契約法上の651c〜f条の瑕疵担保請求権の消滅時効は原則2年と改正され(651g条2項)、また、651c〜f条の瑕疵担保請求権は、新たに導入された民法280条1項における義務違反と結びついた給付障害法に優位するとされている。 次に、前回報告したように、既に、スイス、オーストリア、オランダ、スペイン、イギリス等の主催旅行契約規制法や主催旅行約款については広島法学に掲載したが、これらからEC指令の施行・貫徹状況を追求し、欧州各国の現状を明らかにしたい。 最後に、日本に関しては、現行の旅行業法および標準旅行業約款の平成7年改正の際に行われた議論とその推移を日本旅行業協会事務局が簡潔にまとめた報告書があることを知ったので、現在、これにより、主催旅行契約約款の作成経緯・作成理由をたどっている。
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