研究課題/領域番号 |
13620067
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
野田 進 九州大学, 大学院・法学研究院, 教授 (90144419)
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研究分担者 |
中窪 裕也 千葉大学, 法経学部, 教授 (90134436)
和田 肇 名古屋大学, 大学院・法学研究科, 教授 (30158703)
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キーワード | 職業病 / 私傷病 / 病気休職 / 労働契約 / 労働時間 / ヘルスケア / メンタルヘルス / 健康保険 |
研究概要 |
本研究は、労働者の病気およびヘルスケアに関して生じる法的諸問題を、総合的な視野で分析・解明し、その課題と解決のあり方について理論構築しようとするものである。 初年度にあたる本年度においては、大別2つの研究を実施することができた。 第1に、フランスおよびドイツにおいて、労働者の疾病および病気休暇政策についての調査を行い、併せて、研究計画と暫定的な成果について批評、コメントを受けることができた。調査研究は、2001年11月3日から同月11日にかけて行われ、ドイツにおいては、ハンブルグ大学A.Oppolzer教授、監督労働心理医M.Peschke博士の面談と指導を得ることができ、同市立労働健康社会センターにおける労働医スタッフとの協議を行うことができた。また、フランスにおいては、在フランス日系企業である、ヨーロッパ日立コンピュータプロダクツおよび資生堂インターナショナルフランスにおいて、企業における労働安全衛生実務の状況に関して各担当者およぴ労働医へのヒアリングと現場見学を行った。あわせて、各国において必要な文献・資料の収集も行った。 第2に、本研究課題について、より問題意識を先鋭化させ、理論枠組みをさらに詳細かつ明確に理論化するために、数度にわたる研究会をもった。また、研究会には、たとえば産業医科大学中村純教授をゲストスピーカーとして招き、精神医学の立場からわが国におけるメンタルヘルスケアの現状と課題について、詳細な報告を得るとともに意見交換を行った。 これらにより、労働法学等における健康障害に関する法的アプローチの必要性を確認するとともに、いかなるレベルでどのような法的課題が存在し、解決が望まれるかについて、一定の方向性を得ることができた。
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