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2004 年度 実績報告書

少年司法におけるデュー・プロセスの保障に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 13620075
研究機関山梨学院大学

研究代表者

山口 直也  山梨学院大学, 大学院・法務研究科, 教授 (20298392)

キーワード弁護人依頼権 / 陪審裁判を受ける権利 / 裁判官裁量による管轄権放棄 / 検察官裁量による管轄権放棄 / 制定法上の管轄権放棄 / 混合量刑制度 / 少年に対する死刑
研究概要

本年度は、少年司法におけるデュー・プロセスの保障に関する研究の最終年度として、その総まとめとなる研究を行った。
第1に、全米51法域(50州及びコロンビア特別区)における弁護人依頼権の保障の実体について制定法の条文を中心に調査した。また、その際に、実際に過年度中に訪問したアメリカの裁判所での実地調査の結果も参考にした。平成15年度の研究においては、少年司法手続における弁護人依頼権保障のあるべきシステムについて検討したが、本年度はこれが全米の法域においてどのように具体化されているのかを明らかにした。
第2に、同様に、少年司法に陪審制度を導入しているか(陪審裁判を受ける権利を認めているか)否かについて、制定法を中心に調査した。ここでは、陪審裁判を受ける権利については、デュー・プロセス保障の一環としては連邦レベルでは認められていないことを前提にして、各法域レベルでは、実際に、権利として認められつつあることを明らかにした。
第3に、同様に、少年が少年(家庭)裁判所で保護教育のための審判を受ける権利を失うことになる、家庭裁判所の管轄権放棄について、制定法を中心に調査した。管轄権放棄の類型については、(1)裁判官の裁量による管轄権放棄、(2)検察官の裁量による管轄権放棄、(3)制定法上で一定の犯罪類型を自動的に排除する管轄権放棄の3種類があるが、現在では、(2)(3)の類型が多くなってきていて裁判官の教育的裁量を働かせる余地が減っていることを明らかにした。
第4に、同様に、少年(家庭)裁判所が保護・教育処分だけではなくて、刑罰的な対応もするアメリカの混合量刑制度(blended sentencing system)について、制定法を中心に調査した。アメリカ少年司法は全体的に厳罰化の傾向を歩んでいるが、そのひとつのあらわれがこの混合量刑制度である。全米の法域においては、何らかの形態でこの制度をとりいれているところが多く、保護教育的な機能は減少傾向にあることを明らかにした。
この他にも、被害者の関与のあり方、年齢区分、死刑制度の存否等について検討した。これらの内容については、全米施設訪問の調査結果も含めて、科学研究費報告書『少年司法におけるデュー・プロセスの保障に関する研究』に収録する予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] アメリカ少年司法の最近の動向2005

    • 著者名/発表者名
      山口直也
    • 雑誌名

      改正少年法の検討II(斉藤豊治他編) (2005年発刊予定)

      ページ: 1-11

  • [雑誌論文] 国際準則と少年法改正2005

    • 著者名/発表者名
      山口直也
    • 雑誌名

      改正少年法の検討II(斉藤豊治他編) (2005年発刊予定)

      ページ: 177-188

  • [雑誌論文] 共謀罪はなぜ問題なのか2004

    • 著者名/発表者名
      山口直也
    • 雑誌名

      世界 728

      ページ: 244-250

  • [雑誌論文] 矯正施設民営化の現状と課題2004

    • 著者名/発表者名
      山口直也
    • 雑誌名

      矯正講座 25

      ページ: 109-135

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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