研究課題/領域番号 |
13620081
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高橋 進 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (40009840)
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研究分担者 |
安井 宏樹 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 特別研究員
五百旗頭 薫 東京都立大学, 法学部, 助教授 (40282537)
中山 洋平 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 助教授 (90242065)
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キーワード | グローバリゼーション / EU / 地域主義 / 西欧諸国 / ドイツ / イギリス / フランス / イタリア |
研究概要 |
研究の2年度目になる平成14年度では、以下のような研究実績をあげた。 (1)グローバリゼーシヨンに関する理論研究が大きく揺らぎ始めたということである。それは2つの方向で生じ、一つは2001年9月11日の同時多発テロであり、もう一つが反グローバリズムの運動の世界的な広がりである。このため本研究は、このような事実を踏まえ、グローバリゼーションに関する理論の現状をもう一度再検討することを迫られた。この成果の一つが、高橋 進、「岐路に立つヨーロッパ:グローバリゼーションとポスト9・11」(『神奈川大学評論43』、2002年11月)であり、再検討の結果は、高橋 進が準備している著書の一部として活用する予定である。 (2)西欧主要国に研究としては、中山洋平は、2002年春のフランスの大統領選挙の分析を行った。この選挙は、2002年9月のドイツの連邦議会選挙と同様、具体的な選挙争点の背後に、グローバリゼーションに仏独はどのように政治経済体制上の選択を行うのかという問題を抱えており、グローバリゼーションの衝撃-政治経済体制の選択-選挙の具体的争点-選挙による有権者の判断、という流れを解析する上で、興味深い選挙であった。なお高橋進は、2002年9月のドイツの連邦議会選挙に関して、『エコノミスト』、NHK「視点・論点」で解説を行っている。 加えて安井宏樹は、ドイツの社会民主党(SPD)が、党綱領の改定に取り組んでおり、その中心テーマの一つがグローバリゼーションであるため、それを担当しているSPD党幹部会附属基本価値委員会の中間報告の翻訳を行ない、それを公表した。またグローバリゼーションへの対応を考える時、リーダーシップの問題が確実に存在するが、五百旗頭薫は、近代日本のリーダーシップの祖型を摘出すべく、韓国での国際会議で報告を行なった。また伊藤武は、グローバリゼーションを歴史学がどのように捉えるのかという問題を提起し、論文を公表した。
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