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2003 年度 実績報告書

連立政権下における政策決定構造の特徴と自民党内権力構造の変容

研究課題

研究課題/領域番号 13620088
研究機関京都大学

研究代表者

大嶽 秀夫  京都大学, 大学院・法学研究科, 教授 (40083563)

キーワード自民党 / 派閥 / 連立内閣 / 金融政策 / ポピュリズム / 抵抗勢力 / 民主党 / 小泉内閣
研究概要

一九五五年体制下における自民党の歴史は、派閥同士の闘争の繰り返しであったと言って過言ではない。反主流派の派閥の領袖が、野党と組んで、党首の座を奪おうとしたことさえあった。こうした派閥の連合体としての自民党の権力構造、すなわち派閥が自民党の権力の多元的中心であるという構造が、一九九四年の衆議院の選挙制度の改革によって、さらには、自民党が政権に復帰しても両院で過半数を維持できなくなり、連立政権が常態となったことによって大きく変化した。この変化は、多層的で複雑なものであるが、少なくとも、党執行部の権力が派閥に対して相対的に大きくなったことだけは疑いがない。それを劇的に表現したのが、二〇〇〇年一一月のいわゆる「加藤の乱」および翌年春の自民党総裁選挙によって誕生した小泉内閣の組閣および政策決定においてみられる。本研究では、まずこの二つの事例に焦点を当てて、自民党内権力構造の変容の局面を分析した。そして、その変容の背後には、ポピュリズムと呼びうる現象が日本政治においても重要な意味をもつことを明らかにした。ポピュリズムは、ラテン・アメリカおよび米国において長い伝統をもつが、現代日本のポピュリズムは、カーター、レーガン大統領、とくに後者との共通性が高い。そこで本研究では、政治学におけるポピュリズム概念を学説史的に検討すると同時に、レーガンと小泉とのリーダーシップスタイルを、その政策内容をもからめて比較、考察した。政策内容から言えば、二人のポピュリズムは、ネオ・リベラル型ポピュリズムとでも呼ぶべきものであり、日本政治の文脈では、政治腐敗の改革、すなわち「政治改革」に対する処方箋筆としての意義を与えられて登場したものである。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 大嶽 秀夫: "自民党権力構造の変容(上)"選挙. 56巻4号. 1-8 (2003)

  • [文献書誌] 大嶽 秀夫: "自民党権力構造の変容(下)"選挙. 56巻5号. 1-6 (2003)

  • [文献書誌] 大嶽 秀夫: "日本におけるネオ・リベラル型ポピュリズム"法学論叢. 152巻56号. 1-31 (2003)

  • [文献書誌] 大嶽 秀夫: "日本型ポピュリズム"中央公論新社. 308 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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