研究課題/領域番号 |
13620099
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
政治学
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研究機関 | 神戸市外国語大学 |
研究代表者 |
村上 信一郎 神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (10305675)
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研究分担者 |
阪野 智一 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (10162299)
津田 由美子 姫路独協大学, 法学部, 助教授 (30247184)
藤井 篤 香川大学, 法学部, 助教授 (90222257)
水島 治郎 千葉大学, 法経学部, 助教授 (30309413)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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キーワード | 保守主義 / ネオ・コンサーヴァティズム / アメリカ / EU / 反共主義 / キリスト教 / 中道右派政権 |
研究概要 |
本研究によって明らかとなったことは次のとおりである。第一にネオ・コンサーヴァティズムは第二次大戦後のアメリカ社会に起源をもつことである。それゆえヨーロッパに起源を持つフランス革命以降の貴族的伝統とは断絶していた。そして新興成金のブルジョワ的私有財産を既得権として防衛するという顕著な特徴をもつことになった。そこからヨーロッパの本来的な保守主義とは矛盾する経済活動の自由を至上命題とするようになる。いいかえるとリバタリアニズムを社会哲学とするようになった。そしてマネタリズムがその「公認」経済学となった。こうして「小さな政府」があらためて政治目標として掲げられることになった。他方、アメリカ社会の伝統的な価値規範としてキリスト教が再発見されることになった。しかし、じつのところ反共主義がそれらの異質な勢力からなるネオ・コンサーヴァティズムを結びつける重要な情緒的基盤となった。EU諸国の中道右派政権はこのようなアメリカ起源のネオ・コンサーヴァティズムを基本的に受容してきたが、欧州統合が課する外的制約条件の下で、それを発展的に継承し続けることは著しく困難であると考える。
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