研究概要 |
研究2年度である本年は,昨年からの海外共同研究者との共同研究をうけ,下記の共同研究を進めた. 1)オハイオ州立大学Ichiishi(市石)教授との共同研究: 市石教授は昨年度途中から9月まで1年間の予定で一橋大学に就任されていたこともあり,非協力ゲームの協カゲーム的ベージアン・ゲーム・モデルによる非対称情報下の協力ゲーム的ベージアン均衡に関する研究はかなり進展し,その成果の一部を公表した.来年以降,この研究を英語による研究書として発展させる計画である.また,この研究過程で得られた非対称情報下の協力ゲーム的ベージアン・ゲームにおけるインテリム・コアに関する論文をワーキング・ペーパーとしてまとめたが,来夏,これを国際学会で発表したいと考えている. 2)英国ケンブリッジ大学Hara(原)助教授との共同研究: 原助教授とは従来からの私の研究テーマの一つであったラージ・エコノミーの一般均衡モデルにおける市場機構の問題点を掘り起こす作業を行なった.特に,環境問題との関係からバッズが市場取引の対象となっている大きな経済において,自由市場における価格が市場における需給のバランスを調整する機能を充分に果たしうるか否かを研究し,現在,単著あるいは共著の形で研究成果をまとめている. 3)南メソディスト大学Weber教授との共同研究:Weber教授との共同研究をさらに軌道に乗せるために,1月から先方の大学に赴いて共同で計画している非協力ゲームにおける戦略的コーディネーションの安定性の問題についての研究を実施した.
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