研究概要 |
海外共同研究者との共同研究を柱に研究を進めた。具体的には下記の通り。 1)オハイオ州立大学市石教授との共同研究:市石教授との共同研究が最も発展した。非協力ゲームの協力ゲーム的ベージアン・ゲーム・モデルを用いて,非対称情報下の協力ゲーム的ベージアン均衡を研究し,この3年間の共同研究の成果をまとめた「Cooperative Extensions of Bayesian Game」が英文の著書としてニューヨークの出版社より刊行されることになった。この研究過程で得られた非対称情報下の協力ゲーム的ベージアン・ゲームにおけるインテリム・コアに関する論文をまとめたが,この論文はヨーロッパの数理経済学専門雑誌に掲載されることになった。さらに,今後のより一層の研究の深化に繋げるために,インテリム・コアと人々の間での間接的情報伝達の問題に関するリサーチ・メモをまとめた。 2)英国ケンブリッジ大学原助教授との共同研究:原助教授とはラージ・エコノミーの一般均衡モデルにおける市場機構の問題点を掘り起こす作業を行ない,環境問題との関係からバッズが市場取引の対象となっている大きな経済において,価格が市場における需給のバランスを調整する機能を充分に果たしうるか否かを研究した。この研究は2本の論文としてまとめているが現在の段階では未公刊である。 3)南メソディスト大学ウエーバー教授との共同研究:ウエーバー教授とは戦略的コーディネーションの安定性の問題についての研究を実施し,現在,ブロッキング・コアリションの相対的な大きさとその数との関係に関する論文としてまとめつつある。
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