研究課題/領域番号 |
13630008
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
文 世一 京都大学, 大学院・経済研究科, 助教授 (40192736)
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研究分担者 |
森 知也 京都大学, 経済研究所, 助教授 (70283679)
小林 潔司 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50115846)
藤田 昌久 京都大学, 経済研究所, 教授 (90281112)
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キーワード | 都市経済学 / 交通混雑 / 交通経済 / 混雑料金 / ロードプライシング |
研究概要 |
(1)非単一中心都市におけるコードンプライシングに関する研究(文、藤田、森): 昨年度に開発した、単一中心都市モデルを拡張し、非単一中心都市を対象としたモデルを開発した。非単一中心都市では、トリップの目的地が都心CBDに限定されず、各地点から都市内のすべての地点へのトリップの可能性を考慮する。モデル構造は単一中心都市に比べると格段に複雑となるので、分析は主として数値シミュレーションにより行った。以上のような状況のもとで、コードンプライシングを実施すると、課金を避けるため、コードンを横切るトリップを減らす一方、他のパターンのトリップを増やすので、その効果は単一中心都市の場合に比べると小さくなる。今年度の分析では、都市の空間構造が交通混雑に及ぼす効果を分析するため、人口密度の分布も可変にした。人口分布が中心部に集中するほど、コードンプライシングの効果が大きくなることがわかった。 (2)道路網における次善の料金政策に関する研究(文、小林): 都市内の道路はノードとリンクの組み合わせによりネットワークを形成しているが、そこで生じる混雑の外部性を考慮して効率的な交通量配分を達成するためには、すべての区間ごとに異なった額の料金を徴収することが必要である。しかしすべての道路に料金所(あるいはモニター)を設けることは困難である。ここでは一部の道路区間(たとえば都市高速道路)においてのみ料金徴収可能な状況のもとでの次善最適な料金を求める問題を定式化し、最適条件を導出した。また、道路利用者の異質性を考慮したモデルも開発した。数値シミュレーションを通じて、様々なパラメータのもとで料金政策の効果がどのように影響されるかを分析した。
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