電気・ガス等の例のように、サービスを独占的に供給する一つの上部企業と、それからサービスを購入し寡占的市場において消費者に販売する多数の下部企業がある(2種類の差別化された生産物の)産業を想定し、そこでの、消費者にとってのサーヴィスの価格、下部企業のアクセス料金とについて考察した。 (1)独占企業の消費者へのサーヴィスの供給を市場の競争に委ねつつアクセス料金のみを政府が最適にコントロールする場合。サーヴィスの価格は、産業間の代替・補完にしたがって2種類企業の限界費用の和より大きくあるいは低くなる。アクセス料金は、生産物が補完財の場合には上部企業の限界費用より低くなる。 (2)独占企業に一定の利潤を保証しつつ、生産量(アクセス料金)を政府が最適にコントロールする場合。(a)予算制約を考慮しないならば、サーヴィスの価格は、産業間の代替・補完にしたがって2種類企業の限界費用の和より大きくあるいは低くなる。また(b)予算制約条件を考慮するならば、上のの命題はラムゼーのルールにしたがって、影響を受ける。 (3)2つの産業のマークーアップ率の大小も評価できる。 "Access Pricing in Regulated Industries"を根岸他の編になる論文集に発表した他"Cournot Competition and Access Pricingを京都大学数理解析研究所にて報告。
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