研究概要 |
1.モデル立案とワーキングペーパー発行 本研究は、内生的成長理論を用いたマクロ分析と家族の経済学を用いたミクロ分析が研究の両輪となる.まず,雇用保険と年金という社会保障制度が,失業および経済成長にどのような影響を持ち得るのかを考慮し,理論モデルを構築した(「雇用保険と年金の制度改革-独占的組合モデルにおける雇用と経済成長-」).次に,Schocni(1997)で示された年齢に関してU字型の家族内移転を考価しつつ,年金制度と公的介護制度の経済成長,雇用,所得分配への効果を分析する理論モデルを構築した(「年金.公的介護,および経済成長」). (1)宮澤和俊,「雇用保険と年金の制度改革-独占的組合モデルにおける雇用と経済成長-」,Working Paper No.39,南山大学,2002年1月. (2)宮澤和俊,「年金,公的介護,および経済成長」,Working Paper No.40,南山大学,2002年2月. 2.研究会開催 山田雅俊氏を報告者に招き,Chamlcy(1986),Lucas(1990)で議論された成長モデルにおける資本課税の問題点を再検討して頂いた.村田美希氏には,Wigger(2001)の論文報告を通して,賦課方式年金に代表される世代間移転政策がパレート改善となり得るかという制度改革に関する問題点を整理して頂いた. (1)山田雅俊(大阪大学),OPtimal Taxation in a Dynamic Environment Reexamined,南山大学,2001年6月. (2)村田美希(松阪大学),Wigger, Berthold U.(2001) Pareto-improving intergenerational transfers, Oxford Economic Papers 53,260-280,松阪大学,2001年6月.
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