研究概要 |
本研究は、近年,経済の実証分析において盛んに用いられるようになってきている経済サーベイ・データをベイズ統計学の立場から解析するための統計手法の開発を目的としている。本年度は,本研究を進めるにあたり必要と思われる文献,データの収集を行うとともに,実際のサーベイ・データを用いてベイズ法によるローレンツ曲線の推定及び貧困度の推定を行った。この研究成果に基づき,以下の論文を作成または作成中である。 1."Bayesian analysis of Lorenz curve from grouped data" この論文は,ベイズ法を集計データに適用してローレンツ曲線及びジニ係数を推定したものであり,現在,専門誌に投稿中である。また,2002年12月にインドのアラハバード大学で開催されたStatistics, Combinatorics and Related Area(SCRA)の第9回国際コンファレンスでこの論文の発表を行った。 2."Measuring chronic and transient components of poverty : A Bayesian approach" この論文は,日本福祉大学の上田和宏助教授との共著で,ベイズ法を用いて慢性的貧困及び一時的貧困を計測したものである。現在,専門誌への投稿の準備を進めている。また,本論文は,上田助教授により上記のSCRA第9回国際コンファレンスで発表された。
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