研究課題/領域番号 |
13630036
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研究機関 | 大阪経済大学 |
研究代表者 |
泉 弘志 大阪経済大学, 経済学部, 教授 (70066835)
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研究分担者 |
小川 雅弘 大阪経済大学, 経済学部, 教授 (20160773)
藤川 清史 甲南大学, 経済学部, 教授 (90238543)
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キーワード | 中国経済 / 産業連関 / 購買力平価 / エネルギー / GTAPモデル / 自由貿易協定 / 中国GDP / 省エネ技術 |
研究概要 |
1995年中国日本産業連関表・エネルギー統計と昨年年度に推計した中日産業別購買力平価とを利用して中国と日本の産業別エネルギー総使用量及び生産物単位量当たりエネルギー消費量を比較し、中国の生産過程におけるエネルギー消費の現状について日本と比較しながら分析した。1995年において中国は総量として日本の約2.2倍のエネルギーを使用しており、また生産物単位量当たりでは全産業平均で約2.5倍のエネルギーを使用している。 13億人口をかかえる中国の内需(消費や投資)は増大し、また輸出も年々増え続けている。今後中国の工業化を中心とする経済成長と世界のグロバリゼーションがすすむにつれて、中国の生産技術は先進国に近づくことが予測されるが、その際日本の進んだ省エネルギー技術を導入することが望ましい。購買力平価を利用して1995年の中国の最終需要を日本円に換算し、日本の省エネルギー技術で生産するならどれだけのエネルギーが必要かをシミュレーションし、それを中国技術で生産する場合の必要エネルギー量と比較してみた。その結果として日本の省エネルギー技術が導入されれば、工鉱建設業を中心に大幅なエネルギー削減となり、全体から見るとおよそ3分の1のエネルギーで生産可能となることが分かった。 本年度の研究では以上の作業と平行してGTAPモデルによる日本・韓国・中国の自由貿易協定の経済効果の研究、中国GDP統計に関する基礎的な問題点の研究も行った。
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