研究課題/領域番号 |
13630037
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
椎名 恒 北海道大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (50281762)
|
研究分担者 |
中山 徹 大阪府立大学, 社会福祉学部, 教授 (40237467)
佐藤 真 岩手大学, 教育学部, 助教授 (00192097)
木村 保茂 北海道大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (40003959)
|
キーワード | ダム工事 / 公共事業 / ゼネコン / 土木 / 季節労働 / 労働力陶冶 / 労働市場 / 労働組合 |
研究概要 |
今期の研究の柱となる調査として、第一にダム工事現場労働者、下請け協力企業、ゼネコン所長への前年度に引き続く継続的な調査を行った。ゼネコン現場所長からは工事の全体的概況、現場組織編成、現段階の工程や施工上の特質、協力業者との関連などについて、下請け協力企業現場代表者からは、企業の事業状況、現場労働力編成、保有機械・設備、労務統括機構と労働者管理の実情などについて、現場労働者からは基本属性、経歴、労働内容、熟練と資格、生活状態、意識などについて把握することができた。第二に、地域における建設労働者の状況について冬期の失業を強いられる季節労働者を対象に旭川市を舞台に面接調査を行い生活状態の悪化と不安感の増大が目立った。またそのような労働者を結集している労働組合の活動状況や冬期技能講習活動の調査も行った。第三にダム工事とそこで働く労働者を土木工事とその労働市場全体の中で位置づけるための基礎統計分析を行った。この作業から土木事業の構成や北海道におけるそれの特質、そのなかでのダム工事とダム労働者のウエイトなどが確認された。以上全体を通じて、長野県の脱ダム宣言に典型される公共土木事業見直しの影響が見いだせる中で、ダム労働者の賃金・労働条件の切り下げとそれでも雇用を確保したいとする期待の交錯するもとで、地域における彼らの組織化が現場ではみえないまま着実に進展している状況が浮かび上がりつつある。
|