本研究の1年目は、研究提案書の詳細にあるように、分析に必要なほとんどの文献と統計を収集した。統計は、日本、英国、米国、インド、タイの住宅金融システムに関わるものである。オーストラリアに関しては、2年目に統計を収集する予定である。住宅金融システムの仲介効率性の研究にはリスク分析を含む必要があり、本研究では特にこの点を重要視するものである。これまでは日本とインドの統計の詳細について分析を行い、その中の研究成果のいくつかは、アリカンテ(スペイン)で開催されたヨーロッパ不動産学会、東京でのアジア不動産学会、京都での日本地域学会、バンガロール(インド)でのアジアリスク保険学会において報告を行った。研究結果に関しては、東京やムンバイにおける住宅金融期間の専門家と議論を行い、その中で住宅金融機関に関わるいくつかの重要な政策課題が明らかになった。さらに、これまでの研究結果に基づき4本の論文を作成し、それぞれは現在学術雑誌において投稿審査されているところである。本研究の2年目については、これまでに導かれた研究結果を用いて、住宅金融の効率性についてより具体的な分析を進め、仲介効率性の比較分析を行う予定である。
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