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2001 年度 実績報告書

サービス経済化時代における都市集積の経済性に関する実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 13630064
研究機関山口大学

研究代表者

吉村 弘  山口大学, 経済学部, 教授 (30034862)

キーワード都市規模 / 行政革新 / 市町村合併 / 都市集積 / 都市集積の経済性 / サービス経済化 / 人口 / 面積
研究概要

「サービス経済化時代における都市集積の経済性に関する実証的研究」のうち、本年度は、拙著『最適都市規模と市町村合併』(東洋経済新報社、1999年)で出来なかった「行政革新度」に焦点を当てて、研究した。すなわち、はじめに現代日本の都市における「行政革新度」と都市規模との一般的関係を明らかにし、それによって、各都市の「行政革新度」を、単に行政革新度の現実値からだけでなく、都市規模を考慮した標準値の観点から評価し、さらに、市町村合併の「行政革新度」への効果を推計した。その結果、次の知見を得た。
1.都市の人口規模と「行政革新度」の間には「上に凸の右上がり」の一般的関係がみられる。すなわち、人口数50万人程度までは人口増に連れて「行政革新度」が急激に向上し、それを過ぎると向上は緩やかとなる、しかし、低下する傾向はみられない。現在の日本の都市規模では、「行政革新度」について、都市規模の経済性が認められる。「行政革新度」を「透明度」「効率化・活性化度」「参加度」「利便度」の4部門別にみても、それを総合した「総合」についても、いずれも都市の人口規模と「行政革新度」の間には、上記の一般的関係があり、また、いずれの場合にも、回帰式は有意水準0.01で十分有意である。
2.「行政革新度」を人口と面積の両者で説明しようとする場合、一般に、人口増加に連れて「行政革新度」は向上し、面積増加に連れて減少する。「行政革新度」の説明に対する人口と面積の影響は、人口が圧倒的に大きく、人口という説明変数に、さらに面積という説明変数を加える意義は、統計的には認められない。
4.「行政革新度」と都市規模の一般的関係より、各都市について「行政革新度」の「標準値」、及び、「乖離率」を求めることができる。
5.市町村合併の「行政革新度」への効果について、制約付ではあるが、中国地方の広域市町村圏及びモデル市町村についてシミュレーション分析し、その結果、「行政革新度」の改善が25〜40%に達し、大変大きいことを導出した。
なお、生産要素報酬率の都市間格差を指標とする都市集積の経済性の計測のために、本年度はその資料集に努めた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 吉村弘: "都市規模と行政革新度[I] ---市町村合併の行政革新度への効果---"山口経済学雑誌. 第49巻5号. 1-18 (2001)

  • [文献書誌] 吉村弘: "都市規模と行政革新度[II] ---市町村合併の行政革新度への効果---"山口経済学雑誌. 第49巻6号. 1-18 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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