研究課題/領域番号 |
13630065
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
久野 国夫 九州大学, 大学院・経済学研究院, 教授 (90136416)
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研究分担者 |
長井 偉訓 愛媛大学, 法文学部, 教授 (50237492)
富田 義典 佐賀大学, 経済学部, 教授 (90155565)
阿部 誠 大分大学, 経済学部, 教授 (80159441)
兵頭 敦史 専修大学, 経済学部, 専任講師 (30294862)
石井 まこと 大分大学, 経済学部, 助教授 (60280666)
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キーワード | 対事業所サービス業 / 専門的サービス業 / ME化 / IT(情報技術) / 熟練 / スキル / セーフティネット / 情報ネットワーク |
研究概要 |
1.総務庁『サービス産業基本調査』により、増加が著しい対事業所サービス業をさらに小分類で再分類し、情報処理サービス業の位置づけおよび就業者数について調査した。この結果、対事業所サービス業といっても中分類「専門サービス業」の小分類「個人教授所」は、需要先からは対個人サービスと分類されるべきであることが分かった。これが対事業所サービス業をやや過大にさせている嫌いはあるものの、全体としての対事業所サービス業の増大基調に変わりはない。 2.対事業所サービス業は情報サービスを中心とする専門的サービス業と、清掃や警備など企業内の間接業務が外注化されることによって、産業として自立した対事業所サービス業の2つにさらに分けることができる。前者は給与水準も高く雇用の安定度も高いが、後者は対照的に給与も低くパートや臨時など不安定雇用者が多い。対事業所サービス業の増加といっても実態は上層と下層との二極分化であり、ME(マイクロ・エレクトロニクス)化やIT(情報技術)化の進展がこの根底にはあると思われ、その実証方法についてさらに研究をすすめる予定である。 3.これまで主として物財生産の現場労働者に当てられていた「熟練」や「スキル」という概念を、内外の文献研究によりホワイトカラー職務にも拡張する必要があることが分かった。現場就業者は急速に減少しつつあるが、この背景についてME化やIT化とそれ以外の要因による影響をできるだけ区別するとともに、非物財生産部面における「熟練」労働について用語の工夫を含め、その特徴や位置づけについて研究する必要がある。 4.「セーフティネット」という用語は市場機能の補完という意味あいが強すぎるため、新たな用語を工夫する必要がある。
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